8月30日、上野動物園からジャイアントパンダ「リーリー」と「シンシン」の返還について発表がありました。突然の発表に、思わず声が出てしまうくらいに驚きました。9月28日が最終観覧、翌29日に出国と、発表から最終観覧までの期間はわずか1ヶ月。夏の間、暑さとぎっくり腰にやられて足が遠のいていた上野動物園へ、感謝を伝えに行きました。
リーリーとシンシンはどうして中国に帰るの?
見た目は若々しい2頭も、高齢パンダの仲間入り迫る19歳。リーリーとシンシンは、ともに血圧が高めで、降圧剤が継続して投与されていました。我々ニンゲンも、中高年と呼ばれるあたりから血圧の高低に一喜一憂するようになりますよね。歳を重ねると注意しないといけないことが増えてくるのは、パンダもニンゲンも同じようです。リーリーにはときおり嘔吐などの症状が見られることもありました。
こうした状況を踏まえ、2頭が元気に長生きできるよう、生まれ育った中国で治療を受けさせることが決まったようです。早期の帰国となった背景には、これまで日本で暮らしたジャイアントパンダの飼育や治療の経験が多分に活かされているのでしょう。加齢で体力が落ちたり、症状が進んでしまうと、移動に耐えられなくなるかもしれませんしね。
待たせない漢と食いしん坊お母さん
双子のシャオシャオとレイレイに会うには、長時間列に並ぶ必要がありましたが、漢リーリーは待たせない。朝一でお庭に行くと、ほぼ独占なんてこともありました。
しかし帰国が発表されると90分、110分待ちは当たり前。最終観覧日の28日には、とんでもない人数が弁天門前に並んだようです(前日の夜から並ぶマナー違反上等な方々もおられたとかなんとか)。
丸顔でアイパッチが跳ねているシンシン。いつもニコニコしているように見えますが、食事の邪魔をするようなら、我が子であっても払いのける足技の持ち主。器用な足捌きは、雅安で暮らすシャンシャンにも、しっかり受け継がれています。
中国で会おうね!
29日の8時に成田空港を出発したリーリーとシンシンは、現地時間の17時ごろにシャンシャンが暮らす雅安の碧峰峡に到着し、そのまま検疫に入ったようです。無事に到着して本当に良かった。検疫期間の終了後、雅安から別の施設に再移動するとは思えませんので、治療の経過と体調を診て、そのまま展示されるのでは?と期待しています。
リーリー、シンシン、楽しい時間をありがとう。中国でも元気に楽しく過ごしてね。再見!