Synology DS923+を10GbE化する

本ページにはプロモーションが含まれています

写真や動画など、大量のデータの保管場所として、NASを使用されている方も多いでしょう。私もその一人です。一昨年よりSynologyのDS1621+を10GbE接続で使用していますが、諸般の事情から、DS923+を買い増しすることになりました。
予定外の出費になりましたが、せっかくなので、DS923+についても10GbEで接続できるようにしつつ、1GbEと比較してみます。

お金を掛けずに1Gbps越えで接続したいなら、SMB3 マルチチャネルという手もあります。

そもそもNASとは?

NASとは、ネットワーク上につなげられる記憶装置のこと。Network Attached Storageの略称です。NASを使えば、同じネットワークにつながるパソコンやスマートフォンやテレビなどのデバイス間でデータの共有が可能になります。

NASの設置は簡単

NASはネットワークにつなげるものなので、LANの構築が必須です。なんだか難しく聞こえるかもしれませんが、今どきは、宅内に引き込まれたインターネット回線が(ハブ機能付きの)ルーターにつなげられているパターンがほとんどでしょう。その時点でLANの構築は完了しています。ルーターとNASをLANケーブルでつないであげれば設置完了です。

ただし、10GbEで接続するには、10GbEに対応したスイッチングハブが必要です。

DS923+の仕様

主な仕様は以下のとおり。Synologyのタワーサーバーの中でもちょっと良いグレードの製品で、拡張ユニットやネットワークの10GbEアップグレードに対応しています。

CPUAMD Ryzen R1600
CPU 周波数2-core 2.6 (ベース) / 3.1 (ターボ) GHz
システム メモリ4 GB DDR4 ECC SODIMM
メモリスロット数2
最大メモリー容量32 GB (16 GB x 2)
ドライブベイ4
拡張ユニット使用時の最大ベイ数9 (DX517 x 1)
M.2 ドライブ スロット2 (NVMe)
RJ-45 1GbE LAN ポート2(Link Aggregation / フェイルオーバー対応)
USB 3.2 Gen 1 ポート2
eSATA ポート1
PCIe 拡張1 x Gen3 x2 ネットワーク アップグレード スロット
電源ユニット100 W
消費電力35.51 W (アクセス)
11.52 W (HDD ハイバネーション)

仕様の詳細は公式サイトで比較できます。

DS923+に拡張ネットワークカードを追加する

ネットワークカードの追加は簡単で、後ろ側のフタを開けて差し込むだけ。残念なのは、追加できるカードが専用設計のSynology E10G22-T1-Miniのみ。これが地味に高い。

1GbEと10GbEの速度を比較

搭載メモリ量による速度差を確認するため、標準の4GBと増設後の32GBのそれぞれで計測。
計測には、Mac Studio(M2 Max)、Blackmagic Disk Speed Testを使用しました。

イーサネットメモリストレスWRITE(MB/s)READ(MB/s)
1GbE4GB1GB102.8110.5
4GB5GB104.8104.2
32GB1GB103.7110.4
32GB5GB103.8110.4
10GbE4GB1GB311.51054.1
4GB5GB298.8245.0
32GB1GB784.21046.9
32GB5GB798.31059.3

アップグレード後は、WRITE/READともに速度が向上していますが、4GBのままでは10GbEを活かしきれないようです。10GbE化するならメモリも増設した方が良さそうです。ノートPC用のメモリで普通に動きますが、純正メモリ以外を取り付けると保証が受けられなくなるので注意してください。

ついでにLightroom ClassicでRAWデータ100枚の読み込みと、JPGへの書き出しも測定。

イーサネットメモリ読み込み書き出し
1GbE32GB01:36.0201:35.57
10GbE32GB00:22.0300:56.78

個人的には、書き出しよりも読み込みの時間が短縮されるのがうれしい。現像パネルで写真をパラパラしても、動きがキビキビしたように感じるので、10GbE化の効果はあるようです。

DS923+

十分高性能でデータの保管庫にもピッタリなDS923+。いっそSSDも積んでロマンを求めるのもアリかもしれませんが、お財布に厳しいのが難点です。